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長編
リアル
2013年01月15日 10:51:14コメント:0観覧数:10358

リアル (2/4)

「やべーなんてもんじゃねーよ。はぁ…。っつーか何かないんかよ?」
『ぅん、地元の友達に聞いてみたんだけどさ~、ちょっと分かる奴居なくて…、申し訳ない』
「ぁー、で?」
正直、○○なりに色々してくれたとは思うが、この時の俺に相手を思いやる余裕なんてなかったから、
かなり自己中な話し方に聞こえただろう。
『いや、その代わり、友達の知り合いにそーいうの強い人がいてさー。
 紹介してもいいんだけど、金かかるって…』
「!? 金とんの?」
『うん、みたい…。どーする?』
「どんくらい?」
『知り合いの話だと、とりあえず五十万くらいらしい…』
「五十万~!?」
当時の俺からすると、働いているとはいえ五十万なんて払えるわけ無い額だった。
金が惜しかったが、恐怖と苦しみから解放されるなら…。選択肢は無かった。
「…分かった。いつ紹介してくれる?」
『その人今群馬にいるらしいんだわ。知り合いに聞いてみるから、ちょっと待ってて』

話が前後するが、俺が仏像の前で南無阿弥陀仏を繰り返していた時、母は祖母に電話をかけていた。
祖母からすぐにS先生に相談が行き、(相談と言うよりも、助けて下さいってお願いだったらしいが)
最終的には、S先生がいらしてくれる事になっていた。
ただし、S先生もご多忙だし、何より高齢だ。こっちに来れるのは三週間先に決まった。
つまり、三週間は不安と恐怖と、何か起きてもおかしか無い状況に居なければならなかった。
そんな状況だから、少しでも出来るだけの事をしてないと、気持ちが落ち着かなかった。

○○が電話を折り返してきたのは、夜11時を過ぎた頃だった。
『待たせて悪いね。知り合いに相談したら連絡入れてくれて、明日行けるって』
「明日?」
『ほら、明日日曜じゃん?』
そうか、いつの間にか奴を見てから五日も経つのか。不思議と会社の事を忘れてたな。
「分かった。ありがと。ウチまで来てくれるの?」
『家まで行くって。車で行くらしいから、住所メールしといて』
「お前はどーすんの?来て欲しいんだけど」
『行く行く』
「金、後でも大丈夫かな?」
『多分大丈夫じゃね?』
「分かった。近くまで来たら電話して」
何とも段取りの悪い話だが、若僧だった俺には仕方の無い事だった。

その晩、夢を見た。
寝てる俺の脇に、白い和服をきた若い女性が正座していた。
俺が気付くと、三指をつき深々と頭を下げた後、部屋から出ていった。
部屋から出る前に、もう一度深々と頭を下げていた。
この夢がアイツと関係しているのかは分からなかったが。

翌日、昼過ぎに○○から連絡が来た。電話で誘導し出迎えた。
来たのは○○とその友達、そして三十代後半くらいだろう男が来た。
普通の人だと思えなかったな。チンピラみたいな感じだったし、何の仕事をしてるのか想像もつかなかった。
俺がちゃんと説明していなかったから、両親が訝しんだ。
まず間違いなく偽名だと思うが、男は林と名乗った。
林「T君の話は彼から聞いてましてね。まー厄介な事になってるんです」
(今さらですまん。Tとは俺、会話中の彼は○○だと思って読んでくれ)
父「それで、林さんはどういった関係でいらしていただいたんですか?」
林「いやね、これもう素人さんじゃどーしようもなぃんですよ。
 お父さん、いいですか?信じられないかも知れませんが、このままだとT君、危ないですよ?
 で、彼が友達のT君が危ないから助けて欲しいって言うんでね、ここまで来たって訳なんですよ」
母「Tは危ないんでしょうか?」
林「いやね、私も結構こういうのは経験してますけど、こんなに酷いのは初めてですね。
 この部屋いっぱいに悪い気が充満してます」
父「…失礼ですが、林さんのご職業をお聞きしても良いですか?」
林「あー、気になりますか?ま、そりゃ急に来てこんな話したら怪しいですもんねぇ
 でもね、ちゃんと除霊して、辺りを清めないと、T君、ほんとに連れて行かれますよ?」
母「あの、林さんにお願いできるでしょうか?」
林「それはもう、任せていただければ。こーいうのは、私みたいな専門の者じゃないと駄目ですからね。
 ただね、お母さん。こっちとしとも危険があるんでね、少しばかりは包んでいただかないと。
 ね、分かるでしょ?」
父「いくらあればいいんです?」
林「そうですね~、まぁ二百はいただかないと…」
父「えらい高いな!?」
林「これでも彼が友達助けて欲しいって言うから、わざわざ時間かけて来てるんですよ?
 嫌だって言うなら、こっちは別に関係無いですからね~。
 でも、たった二百万でT君助かるなら、安いもんだと思いますけどね」
林「それに、T君もお寺に行って相手にされなかったんでしょう?
 分かる人なんて一握りなんですわ。また一から探すんですか?」
俺は黙って聞いてた。
さすがに二百万って聞いた時は○○を見たが、○○もばつの悪そうな顔をしていた。
結局、父も母も分からないことにそれ以上の意見を言える筈もなく、渋々任せることになった。

林は、早速今夜に除霊をすると言い出した。
準備をすると言い、一度出掛けた。(出がけに、両親に準備にかかる金をもらって行った)
夕方に戻ってくると、蝋燭を立て、御札のような紙を部屋中に貼り、膝元に水晶玉を置き数珠を持ち、
日本酒だと思うが、それを杯に注いだ。何となくそれっぽくなって来た。
林「T君。これからお祓いするから。これでもう大丈夫だから。
 お父さん、お母さん。すみませんが、一旦家から出ていってもらえますかね?
 もしかしたら、霊がそっちに行く事も無い訳じゃないですから」
両親は不本意ながら、外の車で待機する事になった。

日も暮れて辺りが暗くなった頃、お祓いは始まった。
林はお経のようなものを唱えながら、一定のタイミングで杯に指をつけ、俺にその滴を飛ばした。
俺は半信半疑のまま、布団に横たわり目を閉じていた。林からそうするように言われたからだ。

お祓いが始まってから大分たった。
お経を唱える声が途切れ途切れになりはじめた。
目を閉じていたから、嫌な雰囲気と、少しずつおかしくなってゆくお経だけが俺に分かることだった。
最初こそ気付かなかったが、首がやけに痛い。痒さを通り越して、明らかに痛みを感じていた。
目を開けまいと、痛みに耐えようと歯を食いしばっていると、お経が止まった。
しかしおかしい。
良く分からないが、区切りが悪い終り方だったし、終わったにしては何も声をかけてこない。
何より、首の痛みは一向に引かず、寧ろ増しているのだ。
寒気も感じるし、何かが布団の上に跨がっているような気がする。
目を開けたらいけない。それだけは絶対にしてはいけない。
分かってはいたが…。開けてしまった。
目を開けると、恐ろしい光景が飛び込んできた。
林は、布団で寝ている俺の右手側に座りお祓いをしていた。
林と向き合うように、俺を挟んでアイツが正座していた。
膝の上に手を置き、上半身だけを伸ばして林の顔を覗き込んでいる。
林の顔とアイツの顔の間には、拳一つ分くらいの隙間しかなかった。
不思議そうに、顔を斜めにして、梟のように小刻みに顔を動かしながら、
聞き取れないがぼそぼそと呟きながら、林の顔を覗き込んでいた。
今思うと、林に何かを囁いていたのかもしれない。
林は少し俯き気味に、目線を下に落としたまま瞬きもせず、口はだらしなく開いたまま涎を垂らしていた。
少し顔が笑っていたように見えた。時々小さく頷いていた。
俺は瞬きも忘れ凝視していた。
不意にアイツの首が動きを止めた。次の瞬間、顔を俺に向けた。
俺は慌てて目をギュッと閉じ、布団を被り、ひたすら南無阿弥陀仏と唱えていた。
俺の顔の間近で、アイツが梟のように顔を動かしている光景が瞼に浮かんできた。恐ろしかった。
ガタガタと音が聞こえ、階段を駈け降りる音が聞こえた。林が逃げ出したようだ。
俺は怖くて怖くて布団に潜り続けていた。

両親が来て、電気を点けて布団を剥いだとき、丸まって身体が固まった俺がいたそうだ。
林は両親に見向きもせず車に乗り込み、待っていた○○、○○の友達と供に何処かへ消えていった。
後から○○に聞いた話では、「車を出せ」以外は言わなかったらしい。
解決するどころか、ますます悪いことになってしまった俺には、
三週間先のS先生を待っている余裕など残っていなかった。

アイツを再び目にしてから、さらに4日が経った。
当たり前かも知れないが、首は随分良くなり、まだ痕が残るとは言え、明らかに体力は回復していた。
熱も下がり、身体はもう問題が無かった。
ただ、それは身体的な話でしかなくて、朝だろうが夜だろうが関係無く怯えていた。
何時どこでアイツが姿を現すかと思うと、怖くて仕方無かった。
眠れない夜が続き、食事もほとんど受け付けられず、常に辺りの気配を気にしていた。
たった10日足らずで、俺の顔は随分変わったと思う。
精神的に追い詰められていた俺には、時間が無かった。
当然、まともな社会生活なんて送れる訳も無く、親から連絡を入れてもらい会社を辞めた。
(これも後から聞いた話でしかないのだが…、連絡を入れた時は随分嫌味を言われたらしい)
とにかく何もかもが怖くて、洗濯物や家の窓から見える柿の木が揺れただけでも、
もしかしたらアイツじゃないかと一人怯えていた。
S先生が来るまでには、まだ二週間あまりが残っていた。俺には長すぎた。

見かねた両親は、強引に怯える俺を車に押し込み、何処かへ向かった。
父が何度も「心配するな」「大丈夫だ」と声をかけた。
車の後部座席で、母は俺の肩を抱き頭を撫でていた。母に頭を撫でられるなんて何年ぶりだったろう。
時間の感覚も無く(当時の俺にはだが)、車で移動しながら夜を迎えた。
二十歳も過ぎて恥ずかしい話だが、母に寄り添われ安心したのか、久方ぶりに深い眠りに落ちた。

目が覚めるとすでに陽は登っていて、久しぶりに眠れてすっきりした。
実際には丸1日半眠っていたらしい。多分、あんなに長く眠るなんてもうないだろうな。
外を見ると、車は見慣れない景色の中を進んでいた。

少しずつ、見覚えのある景色が目に入り始めた。道路の中央に電車が走っている。
車は長崎に着いていた。これには俺も流石に驚いた。
怯え続ける俺を気遣い、飛行機や新幹線は避け車での移動にしてくれたらしい。
途中で休憩は何度も入れたらしいが、
それでもろくに眠らず車を走らせ続けた父と、俺が怖がらないようにずっと寄り添ってくれた母への恩は、
一生かけても返しきれそうもない。

祖父母の住む所は、長崎の柳川という。柳川に着くと坂道の下に車を停め、両親が祖父母を呼びに行った。
(祖父母の家は、坂道から脇に入った石段を登った先にある)
その間、俺は車の中に一人きりの状態になった。
両親が二人で出ていったのは、
足腰の悪い祖母や、S先生の家に持っていく荷物を運ぶのを手伝うためだったのだが、
自分で「大丈夫、行って来て」なんて言ったのは、本当に舐めてた証拠だと思う。
久しぶりに眠れた事や、今いる場所が東京・埼玉と随分離れた長崎だった事が、気を弛めたのかもしれない。

車の後部座席に足をまるめて座り(体育座りね)、外をぼーっと眺めていると、急に首に痛みが走った。
今までの痛みと比較にならないほど、言い過ぎかも知れないが激痛が走った。
首に手をやると滑りがあった。…血が出てた。指先に付いた血が、否応なしに俺を現実に引き戻した。
この時、怖いとか、アイツが近くにいるかもって考える前に、
「またかよ…」ってなげやりな気持ちが先に来たな。
もう何か嫌になって泣けてきた。

分かってもらえれば嬉しいけど、
嫌な事が少しの間をおいて続けて起きるのって、もうどうしようも無いくらい落ち込むんだよね。
気持ちの整理が着き始めると嫌な事が起きるっては辛いよね。
この時は少し気が弛んでいたから尚更で、
「どーしろっつーんだよ!!」とか、「いい加減にしてくれよ」とか独り言をぶつぶつ言いながら泣いてた。
車に両親が祖父母を連れて戻って来たんだけど、すぐにパニックになった。
何しろ問題の俺が、首から血を流しながら、後部座席で項垂れて泣いてるからね。何も無い訳がないよな。
「どうした?」とか、「何とか言え!」とか、「もぅやだー」とか、「Tちゃん、しっかりせんか!!」とか、
「どげんしたと!?」とか、「あなたどうしよう」とか。
この時は思わず、「てめぇらぅるっせーんだよ!!」って怒鳴ってしまった。
こんな時に説明なんか出来るわけねーだろって、てめぇらじゃ何も出来ねぇ癖に…黙ってろよ!とか思ってたな。
勝手に悪い事になって仕事は辞めるわ、騙されそうになるわ…
こんな俺みたいな駄目な奴のために、走り回ってくれてる人達なのに…。
今考えると本当に恥ずかしい。

で、人生で一度きりなんだけどさ、親父がいきなり俺の左頬に平手打ちをしてきた。
物凄い痛かったね。親父、滅茶苦茶厳しくて何度も口喧嘩はしたけど、
多分生まれてから一回も打たれた事無かったからな。
(父のポリシーで、子供は絶対殴らないってのは昔から耳タコだったしね)
で、一言だけ「お祖父さんとお祖母さんに謝れ」って、静かだけど厳しい口調で言ったんだ。
それで、何故か落ち着いた。ってかびっくりし過ぎて、それまでの絶望感がどっかに行ってしまったよ。
冷静さを取り戻して皆に謝ったら、急に腹が据わってきた気がした。
走り始めた車の中で、励ましてくれる祖父母の言葉に感極まってまた泣いた。
自分で思ってるよか全然心が弱かったんだな、俺は。

S先生の家(寺でもあるが)に着くと、ふっと軽くなった気がした。
何か起きたっていうよりは、俺が勝手に安心したって方が正しいだろうな。
門をくぐり、石畳が敷かれた細い道を抜けると、初老の男性が迎え入れてくれた。
そう言えば、S先生の家にはいつもお客さんがいたような気がする。
きっと、祖母のように通っている人が多いんだろう。
奥に通され裏手の玄関から入り進んでいくと、十畳くらいの仏間がある。
S先生は俺の記憶の通り、仏像の前に敷かれた座布団の上に正座していて、ゆっくりと振り向いたんだ。
(下手な長崎弁を記憶に頼って書くが見逃してな)
リアル (1/4)|リアル (2/4) |リアル (3/4)リアル (4/4)
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